生活習慣病とは、高血圧症、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール、高中性脂肪)、痛風といった、食習慣、運動習慣、休養不足、喫煙、飲酒等の生活習慣の積み重ねや体質によって引き起こされる病気のことをいいます。
初期は無症状な事が多いのですが、病気が進むと様々な合併症を引き起こします。特に心臓病、脳血管疾患、大動脈の病気、腎臓病などの重篤な病気のリスクが高まります。治療については、生活習慣やライフスタイルを変える事から始め、食事の取り方や内容、運動の種類や量、嗜好品(たばこやお酒)、睡眠時間、ストレス管理に至るまで、幅広く考えていく事が必要となります。
高血圧とは、長い間、血圧の高い状態が続くことにより、血管や心臓、脳などに障害をもたらす全身性の病気です。日本人にはとても多い病気で、現在、約4,300万人の高血圧患者がいると推定されています。
高血圧を放っておくと、常に血管に刺激がかかって、動脈が傷みやすくなります。それと同時に、血液を高い圧力で送り出している心臓にも負担がかかります。高血圧は、心不全や狭心症、心筋梗塞といった心・血管系の病気を招いたり、脳出血、脳梗塞の原因になったりします。
自覚症状が無くても、高血圧を放置せず、適切な治療うけることが大事です。
糖尿病になると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなって、血液中に溢れてしまう病気です。つまり、血液中の糖分が多くなり、その状態が続くと血管に障害が出やすくなります。
初期の段階ではほとんどが無症状が多いですが、放っておくと、いろいろな合併症がでてきます。
神経障害・網膜症(眼の病気)・腎臓病・心筋梗塞・脳卒中などの生活の質を落としかねない病気になることもあります。食事・運動療法や薬物療法により血糖値を正常に保ち、健康を維持することが大事です。
脂質異常症(高脂血症)とは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪(トリグリセリドなど)が異常に多くなった状態をいいます。
脂質異常症を放置すると、増えた脂質がどんどん血管の内側に溜まって動脈硬化を招き、そのまま進行すると、ついには心筋梗塞や脳梗塞などの発作を起こしかねません。
脂質異常症は、自覚症状がまったく無くても、早く見つけて治療にかかることが重要です。
高尿酸血症とは、血液中の尿酸が多くなった状態をいいます。それを放置すると、尿酸が関節の中で固まって結晶になるため関節炎を起こし、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出します。これが痛風発作です。痛みは耐えがたいほどで、「痛風」という病名には「風に吹かれただけでも痛い」という意味合いが込められています。
また、痛風は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を合併しやすく、心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことが知られています。痛風発作がなくても尿酸値が高い場合には食事・運動療法や薬物療法による治療が必要です。